ZEH適合の分譲住宅を購入するメリット・デメリット

ZEHとは「Net Zero Energy House（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）」を省略した言葉です。エネルギー収支をゼロにする家、という意味があり、生活で必要なエネルギーと自らが生み出すエネルギーが同じぐらい、もしくは生み出すエネルギーのほうが多くなる住宅のことを指します。

ZEHで重要な要素は「高断熱」「省エネ」「創エネ」の3つです。生活で必要とするエネルギーは高断熱構造を採用したり省エネルギー設備を導入したりしてできる限り減らし、さらに太陽光発電などを採用して電力を創り出すことでZEHを叶えます。

ZEH適合の住宅は、高い断熱性があります。そのため外気温の影響をあまり受けないのが特徴です。冷暖房を過剰に使わず、夏は涼しく冬は暖かい空間が得られるでしょう。

室内の温度が均一に保ちやすいため、部屋の温度差によって発生するヒートショックな熱中症のリスクも減らせます。

ZEH住宅は、省エネと創エネを組み合わせることで、電力会社から送られている電力をあまり使用しません。その分の光熱費が減らせるでしょう。ランニングコストを減らすことで、長期的な視点で見ると住まいにかかるコストも削減できます。

太陽光発電を導入しているZEH住宅は、災害に強い家です。停電が発生した際も、太陽が出ている時間帯であれば自家発電でき、電気が使用できます。蓄電池を併用すると、日中に創り出した電気を蓄えておけるため、夜間でも電気が使用できるでしょう。

ZEH適合の住宅は、一般的な住宅よりも多くの設備の設置が必要です。また太陽光発電を活用するために、屋根の角度にも制限ができてしまいます。思い描いていた外観・デザイン・間取りが叶えられない、という可能性もあるでしょう。

ZEH適合の住宅を建てる際は、その分コストがかさみます。太陽光発電や蓄電池などはもちろん、断熱性の高い家を作ろうと思うと、ZEHではない住宅よりも材料費がかかります。

ただし、上記のメリットでも紹介したように、光熱費が抑えられることで長期的に見て住まいにかかるコストを減らせるため、デメリットはそのうちメリットへと変化していくでしょう。

太陽光発電を導入しても、常に一定の発電量が得られるわけではありません。太陽の光が当たりやすい土地、気温が安定している地域であれば、ある程度の発電量が見込めます。ただし高い木々や建物があったり、日陰が多い土地だったりすると、発電量が低下します。

コストをかけてZEH適合住宅にしたのに、思ったよりも効果が得られなかった…という場合も。

現時点の状態だけでなく、将来的に高い建築物を建設する予定がないかどうかも確認しておきましょう。